アメリカ人女性としてはじめてノーベル文学賞を受賞したパールバック。小説「大地」では、パール・バック自身も持っている知的障害のある娘へのあたたかな「眼差し」が存在する。生後数か月で移住した中国の生活。フェニルケトン尿症による知的障害の娘の存在。中国での偏見のまなざしに屈せずどんな試練にも負けなかった母の存在。すべてを意味あるものにしたパールバックの生き方に感銘を受ける。恥ずかしながら「大地」は読んだことがない。パールバックの人生を知ったうえで「大地」を読んでみたいと思う。小学校６年生の時の担任は、名著と呼ばれる本の題名を覚えさせることに力を注いでいた。その時にはわからなかったが、人生経験を積んだ今、活字離れが進む世の中で、文学に触れることが人生を豊かにしてくれることに気付いた。そして何十年もの年月を経て小学校６年生の担任が伝えたかったことがわかるような気がする。その時に読んでもわからなかったであろうパールバックの「大地」今なら理解できるかもしれない。