ブログ

2023年芥川賞受賞「しろがねの葉」の舞台 石見銀山との縁


2023年芥川賞受賞「しろがねの葉」の舞台 石見銀山との縁


天才山師・喜兵衛に拾われた銀山と運命を共にした少女ウメの生き方に興味を持った。興味を持ったもう一つの理由は、島根県浜田市が実家だった母に連れられ幼い頃、横目に見た石見銀山の思い出。また銀鉱山の開発を開始したのは、当時、日本最大の貿易港であった博多の豪商神屋寿禎(かみやじゅてい)であることだ。寿禎は、中国・朝鮮への主要な輸出品であった銅を入手するために、石見地方の東隣に当たる出雲地方に向けて日本海の沿岸を航行していた際に、南の山に霊光を発見して銀山の存在を知ったとされている。
しろがねの葉を読み、私自身、何もわからない時に見た山の記憶を呼び起こしたいと思う。こんな形で石見銀山を身近に感じるとは。石見銀山は、16世紀の日本において銀製錬及び精錬の技術的先進地であった。記録によると、石見銀山(いわみぎんざん)は、島根県大田市にある、戦国時代後期から江戸時代前期にかけて最盛期を迎えた日本最大の銀山(現在は閉山)。最盛期に日本は世界の銀の約3分の1を産出したとも推定されるが、当銀山産出の銀がそのかなりの部分を占めたとされる 。既に1540年代には石見銀山に技術力の高い製錬及び精錬技術者の職人組織があり、国内の他の鉱山で採取された鉱石の鑑定が行われていたことが知られるなど、改めてその歴史を知るとわからないなりに山を見たことがあるという経験が価値あるものに思える。
その意味がわからなくても見ること、聞くこと、触ること、そういった経験がいつか理解でき、役立つ時が来るということも実感している。

CONTACT

みなさまからのご意見やお問い合わせをお待ちしております。
事務所所在地

〒811-4163 福岡県宗像市自由ヶ丘7-6-1

Google map
TEL・MAIL

0940-25-5344

MAIL TO